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プーシキン美術館展:H30年9月 |
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H30年9月中旬に国際美術館に出掛けた。 H25年・神戸での展覧会も見ている。
今回も傑作が65点展示されていた。
主なものを纏めた。
画像及び説明文ははWEBから借用
番号は作品リストによる
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第1章
近代風景画の源流 |
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第2章
自然への
賛美 |
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《夕暮れ》
ジャン=バティスト
=カミーユ・コロー
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木々の陰や日の当たらない野原の暗い色調は、日没後の余韻のような美しい光に目を向けさせます。現実のある場所の写実的な描写というよりは、コローが1860年代に多く手掛けた「想い出(スヴニール)」に分類されるものと考えられ、若き日に滞在したイタリアやフランスの田園風景の記憶から生み出された風景でしょう。詩的な情趣溢れる一点です。 |
23 |
水車小屋
ギュスターヴ・クールベ |
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《山の小屋》
ギュスターヴ・クールベ
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パリ・コミューンの際にヴァンドーム広場の記念柱を破壊した責任を問われ、クールベは1873年にスイスへ亡命します。画家は故郷を想いながらもスイスで58歳の生涯を閉じることとなりますが、その3年前に描かれた作品です。雪に覆われたアルプス山脈の頂を背後に、慎ましい山小屋が描かれています。煙の立つ煙突や干された洗濯物が、暖かい室内と人の存在を示しています。 |
26 |
《刈り入れをする人》
レオン=
オーギュスタン・
レルミット
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産業化の進む都市部の人々のノスタルジーを誘う、理想的ともいえる黄金色の麦畑。収穫は、腰をかがめ小さな鎌で麦を刈り取る重労働ですが、女性たちは落ち着きのある美しい身のこなしで仕事に取り組んでいます。ミレーの影響を強く受けつつも、ときに理想化しながらたくましい農民の姿を描いたレルミットは、農民画家として同時代の人々の人気を集めました。 |
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第3章
大都市パリの風景画 |
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《庭にて、ムーラン・
ド・ラ・ギャレットの
木陰》
ピエール=
オーギュスト・
ルノワール
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ムーラン・ド・ラ・ギャレットはパリのモンマルトルにあった大衆的なダンスホールですが、喧騒から少し離れた木陰で、男女5人が楽しげに語らう様子が描かれています。背景の木々も人物も、やさしく穏やかな筆の運びで表されており、彼らが幸せなひと時を過ごしていることが伝わってきます。作品裏面の書き込みによると、後姿の女性はルノワールのお気に入りのモデルであったニニ、その後ろから顔をのぞかせるのは画家モネです。 |
29 |
《パリのピガール広場》
ピエール・カリエ=
ベルーズ
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画面に描かれていない建物が、通りの3分の2ほどに影を落としています。右下の街灯にはしごを架けて灯を入れるような様子も見えることから、夕刻の往来でしょう。少し高い位置から俯瞰で捉えられた通りにはカフェなどのお店が並び、箒を持つ掃除屋、子供を連れた乳母をはじめさまざまな人物が描かれています。ピガール広場は、モンマルトルの丘のふもとに位置し、ルノワールやボナールもその賑わいを描いています。
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30 |
《サン=
ミシェル大通り》
ジャン=
フランソワ・ラファエリ
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街灯がともり始める夕暮れの通りを、多くの人々が行き交っています。奥に臨む建物は、フランスに貢献した偉人の墓所となっているパンテオンです。リュクサンブール公園の東、サン=ミシェル大通りから、整然と通り沿いに並ぶ建物を背景に描かれました。制作年の記載はありませんが、丁寧に描かれた人物の服装から1890年代の作品だと推測されています。 |
34 |
《パリのサン=
ミシェル橋》
アルベール・マルケ
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1908年、マルケはかつてマティスも暮らしたサン=ミシェル河岸19番地に移り住みます。本作品は、その部屋の窓から見下ろすように、少し高い視点からサン=ミシェル橋の往来が描かれています。抑制された穏やかな色調、巧みに単純化された形態で、詩情豊かにパリの街角が表されています。 |
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第4章
パリ近郊 |
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第5章
南へ |
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第6章
海を渡って |
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《マタモエ、
孔雀のいる風景》
ポール・ゴーガン
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1891年、ゴーガンは原始的な暮らしを求めてタヒチ島へ赴きます。タイトルのタヒチ語「マタモエ」の意味は議論されてきましたが、パリで展示されたときにゴーガンはフランス語で「死」というタイトルを付しています。画家のタヒチ滞在を綴った『ノア・ノア』を参照すると、文明化されたヨーロッパ人としての自身の死を示唆していると考えられています。 |
63 |
《馬を襲うジャガー》
アンリ・ルソー
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1905年頃から、ルソーは中央に動物を配した熱帯のジャングルを舞台とした風景を手掛けており、本作品においても同じ構図がとられています。獰猛なジャガーに襲われた白い馬は、何とも言えない表情でこちらを見つめています。凄惨な場面にも関わらず、青々とした空と深い緑の織り成す密林によって、画面全体は幻想的な静寂に満ちています。 |
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