★VERMEER:東京展★    
   楽しみにしていたVERMEER展を観に出掛けた。
上野の森の美術館は初めてだった。
時間制限をして入場数を管理しているはずだったが
長い列に並び、場内は相当の混雑だった。
また荷物をコインロッカーに預けるタイミングが無く
そのまま入場してしまった。
入場者の管理が良くなかったと思う。
また高額な入場料のため、全員にイヤーホンを貸していたが
肝心のVERMEERの絵画の解説が2、3点しか無かった。
その結果、せっかくの展覧会なのに悪い印象ばかり残った。
   
  *公式HPの作品紹介、その他から借用。
https://www.vermeer.jp/pictures/
   
   「1」牛乳を注ぐ女
The Milkmaid
1658-1660年頃 | 油彩・カンヴァス | 高45.5×幅41cm
アムステルダム国立美術館 

女性が牛乳を注ぐのに没頭している様子を描いている。
注がれる牛乳以外のすべてが静寂に包まれている。
フェルメールは単調な日常の所作を、
「明るく照らされた室内に彫像のように立ち尽くす女性」という印象的な絵画に仕上げた。
フェルメールはまた、細かい粒子で構成される光が、物の表面をどううつろうのかを観察していた。
   
   「2」マルタとマリアの家のキリスト
Christ in the House of Martha and Mary
1654-1655年頃 | 油彩・カンヴァス | 高158.5×幅141.5cm
スコットランド・ナショナル・ギャラリー

現存するフェルメール作品の中で最も大きく、
最初期作のひとつ。
「ルカによる福音書」に登場する場面。
画中ではキリストが、家事を心配するマルタをよそに、
座ってキリストの教えを聞こうとするマリアを讃えている。光と影の戯れ、
人物の特徴づけ、幅広で厚く絵の具をのせた筆さばきは、
カラヴァッジオの影響下にあったユトレヒト派の画家から
インスピレーションを受けたと考えられる。
フェルメールにはめずらしい大きなサイズや主題から、
特別な依頼を受けて制作されたものと推測される。
   
  3」手紙を書く婦人と召使い
Woman Writing a Letter, with Her Maid
1670-1671年頃 | 油彩・カンヴァス | 高71.1×幅60.5cm
アイルランド・ナショナル・ギャラリー

幻想のような現実を描き出すことにおいて、フェルメール作品は、
他に類を見ない芸術的なレベルに到達した。
描かれる人物はしばしば寡黙で動きが少なく、
絵画に厳粛でミステリアスな雰囲気をもたらしている。
この絵画はフェルメール後期の最も独創的な作品の一つ。
召使いの女性が窓の外を眺めている間に、女主人が手紙を書いている。
床には、この時代のやりとりで時折使われたであろう赤い封印、
スティック状のシーリングワックス(封蝋)などが落ちている。
   
  「4」ワイングラス
The Wine Glass
1661‐1662年頃 | 油彩・カンヴァス | 高67.7×幅79.6cm
ベルリン国立美術館

初期から中期へさしかかる過渡期の作品。テーブルの上には楽譜、
椅子には古楽器のリュートが置かれた「愛」を暗示する室内で、
黒い帽子の男性が女性にワインを勧めている。
ワインを飲む女性の視線の先には半開きのステンドグラスの窓があり、
その中央には馬具を持つ女性が描かれている。
手綱を持つ女性は伝統的に「節制」を表すため、
室内での色恋沙汰を戒める寓意と考えられている。
日本初公開。
   
  「5」手紙を書く女:5」
A Lady Writing
1665年頃 | 油彩・カンヴァス | 高45×幅39.9 cm
ワシントン・ナショナル・ギャラリー

17世紀のオランダでは郵便制度の発達に伴い手紙でのやり取りが盛んに行われた。
フェルメールも手紙をテーマに6点の作品を描いている。
毛皮付きの黄色い上着姿の女性は、机に向かい羽ペンを走らせている真っ最中である。
ふと筆を休めた彼女は、絵の前に立つ我々を見つめるかのようにこちらに顔を向ける。
穏やかな光の中で優しく微笑む女性。耳元の真珠のイヤリングに光の粒が輝く。
当時、人々が憧れ、親しんだ手紙をめぐる情景を、
フェルメールは美しい女性像を通じて描き出している。
   
   「6」赤い帽子の娘
Girl with the Red Hat
1665-1666年頃 | 油彩・板 | 高23.2×幅18.1cm
ワシントン・ナショナル・ギャラリー

真っ赤な帽子をかぶり、振り向くようにこちらに視線を向ける女性。
帽子に遮られ、彼女の顔のほとんどは影に覆われているが、
左頬は明るく照らし出されている。耳元の真珠、
瞳や鼻先にも光の粒が描き込まれ、少し開いた口元はつややかに輝く。
背景にタペストリーが掛かる薄暗い部屋の中に存在感たっぷりに浮かび上がる女性の姿。
細部にわたる緻密な描写や絶妙な配色など、
フェルメールの卓越した筆さばきを随所に見つけることができる。日本初公開。

※12月20日(木)までの展示
   
   「7」リュートを調弦する女
Woman with a Lute
1662-1663年頃 | 油彩・カンヴァス | 高51.4×幅45.7 cm
メトロポリタン美術館

薄暗い室内に一人腰掛ける女性はリュートを抱え、弦をかき鳴らす。
左手でペグをつまみ、音階を整えている。
遠く窓の方に視線を向ける様子は見る者の想像力をかき立てる。
窓越しに何かを見つめているのか、それとも耳を澄まし、
音を追うことに注力しているのか。机の上には楽譜らしきものが重なるように置かれ、
壁には、ときに絵の中で、
愛する人が遠い彼方にいることを示唆する地図が描き込まれている。
   
    「8」真珠の首飾りの女
Woman with a Pearl Necklace
1662-1665年頃 | 油彩・カンヴァス | 高56.1×幅47.4 cm
ベルリン国立美術館

黄色いカーテンがふわりと掛かる窓辺からやわらかな光がさしこむ。
室内に立ちすくむ女性は真珠の首飾りを結ぼうとリボンを手に、
壁にかかる小さな鏡を見つめている。
かすかにほころぶ口元と宙を見るような甘い眼差し。
身支度にいそしむ女性が見せるふとした表情をフェルメールは静寂の中に描き出している。
机の上には白粉をはたくブラシや銀色の器が並び、
光に照らされる白い壁を中心に据える斬新な構図は画家の空間表現へのこだわりを物語る。
   
   「9」取り持ち女
The Procuress
1656年 | 油彩・カンヴァス | 高143×幅130cm
ドレスデン国立古典絵画館

初期作の1つである本作は、それまで宗教画、
物語画に取り組んでいたフェルメールがはじめて描いた風俗画である。
当時、キリストが説いた譬(たと)え話「放蕩息子」を発端に、
娼家を舞台にした絵が数多く制作され、
フェルメールもそうした時流の中でこの絵を描いた。
女性は今まさにお客から金貨を受け取るところである。
彼女を明るく照らす光、表情や手の動きなど、
後にフェルメールが確立する表現の萌芽がすでに散見される。
現存作品の3点にのみに年記が残るが、
本作の右下には画家のサインと共に制作年も記されている。
日本初公開。
※2019年1月9日(水)〜会期終了までの展示
   
   【他の画家】
「1」ハブリエル・メツー
Woman Reading a Letter
手紙を読む女
1664-1666年頃
油彩・板
52.5×40.2cm
アイルランド・ナショナル・ギャラリー

若者の手紙を、少女が注意深く、読んでいる。召使が辛抱強く、
読み終わるのを待っている。
召使いが開けているカーテンの向こうには、
波立つ海の風景画が飾られている。
愛は航海のごとく危険だ、という格言を示唆しているのかもしれない。
絵にカーテンがかけられているのは、そう珍しいことではない。
オランダでは光や埃から絵を守るために、カーテンをし、
中国や日本と同様に、特別の時だけ見るという習慣があるそうだ。
   
  「2」ピーテル・デ・ホーホ
Three Women and a Man in a Yard behind a House
人の居る裏庭
1663-1665年頃
油彩・カンヴァス
60×45.7cm
アムステルダム国立美術館 

彼は陽光を描くのに優れていた。ここでは、日差しの降り注ぐ庭の中、日陰に恋人たちが
座っている。若い女性はレモンを搾ってワインに味付けし、彼女の向かいの男性はパイプを
手にして微笑んでいる。背後にはメイドが銅の鍋を洗っているのが見える。
   
   「3」ヘラルト・ダウ
Old Woman Reading
本を読む老女
1631-32年頃
油彩・板
71.2×55.2cm
アムステルダム国立美術館 

彼はレンブラントの弟子の一人。老女の顔、皺のある手、帽子や襟の毛皮などが
驚くほど細密に描かれ、読んでいる聖書のページは
「ルカによる福音書」19章であることもわかる。
その教えは、この世の財産は貧しき者たちと共有するのがキリスト教徒の務めと
いうものである。
   
   「4」ヤン・ステーン
Family scene
家族の情景
1665-1675年頃
油彩・板
48.5×40cm
アムステルダム国立美術館 


滑稽で陽気な場面を多く描いた彼の絵には常に教訓が隠されている。ここでは
飲み騒ぐ大人たちが、テーブルに立つ幼児の悪い手本であり、左端の老女と若者は
「老いが歌えば、若きは笛吹く」(「この親にしてこの子あり」の意味)
という諺を表し、子どもは大人をまねるので気をつけろという警告となる。
   
   今回は (「6」赤い帽子の娘)の展示期間に制限があったので
12月の中旬に出掛けた。
大阪市立美術館の展示も観に行く。
その後に今までのVermeer鑑賞記録を整理したい。
   
       
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